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    December 28

    我が家のクリスマス

     
    クリスマス。
     
    小さなツリーをかざり、
     
    小さなケーキを買って、
     
    小さな手料理は子供の大好物カレーライス(手間が省けたり!)
     
    そして小さなプレゼントを寝顔の元へ。
     
    静かにイブの夜は更けてゆくのでした・・・・・・。
     
     
     
    こんな小さな家庭にはぴったり(と勝手に思っているが、子供たちはどうだか・・)の小さなクリスマスを過ごさせていただきました。
     
     
    でも。
     
     
    今日は28日。
     
     
    でも。
     
     
    ツリーはなおも輝きつづけ、
    サンタは依然笑顔をたたえ、
    暮れ行く2005年を見送ろうとしています。
     
     
    この家の主は日本人なんですが、
    “中国って、正月すぎてもクリスマス飾ってるよね。”
    なんていつ吐いた台詞やら。
     
     
    きれいだからもう少し。
    片付けないのもわかるというもの(←思い込み)
    雛飾りじゃないんだし。
    日を過ぎたら“行きそびれる”なんて・・
    当家いたずら坊主には関係なし。
     
     
    片付けようという意思のかけらもないままに、
    “さあ、そろそろ玄関のドアに貼る来年の干支でも買うかなぁ”。
     
     
    我が家の小さなクリスマスツリーは
    今年も主人とともに
    元旦を迎えようとしています。
     
     
    December 22

    真夜中のおしるこ

     
    明日の朝はこの冬一番の冷え込み・・・・
     
    という天気予報を周囲の口々から聞かされつつも
     
    PCの前でお仕事やらなにやらに励むこんな深夜は。
     
     
     
    “は~~い!お待たせ!熱~~い白玉じるこですよぉ~~”
     
     
     
    なんて、夜食が運ばれてきたら・・・・・・・。
     
    と、お得意の妄想に浸り込みながら。
     
     
    見事冷え切る台所にて
    粉練りぎゅうぎゅう
    静まり返る夜更けもよそに
    団子丸めくるくる
     
     
    “は~~い!あっつあつの白玉じるこですよぉ~~”
     
    なんていうのを想像しながら、
     
    できあがったおしるこに自己満足の舌鼓。
     
    ・・・・格別においしい。冬の真夜中のおしるこ。。。
     
     
     
     
     
     
    明日の子供たちの朝食に・・・という見かけ真っ当な理由までくっつけて、
    夜中1時すぎからつくり出したんですが。
    さて、子供たちのお腹まで届くでしょうか。
     
    ・・・まさかねぇ。
     
    わたしのお腹とご相談。

    きれいな景色

     
    夜。
    黄色い街灯に行き過ぎる車のライトが眩しい
     
    幹線道路の車通りはまだまだ多いのに
    2両連結の暗いおんぼろトロリーバスはすでにガラガラ。
    ガタガタと揺られるその音高らかに車内を響き渡る。
    うるさいはずの車外の他の車の騒音までもすべてかき消してしまうから
    外界からトロリーバスの中に隔離された状態。
     
    大きなフロントガラスに前を行く車のテールランプの光
    すれ違う車のヘッドランプは左右の窓から斜に流れ込み消えてゆく
    暗い車内に流れては消える赤、白、黄色の光の波は眩しく尾を引いて。
     
    そして。
     
    運転手のシルエット。
    数人の客のシルエット。
    揺れるその音とリズムばかりのシルエット。
     
     
    ・・・・と、こんな情景を少なくとも週に一回は見ている今日この頃なんですが、
     
    きれい。。。
     
    夜だから、疲れているせいかもしれないけれど、ぼおっとしながら、
     
    きれい。。。
     
    ガタガタと隔離された暗い車内にその天井に、そして客の私たちにも同様に映し出される光と影のささやかな交錯劇は、ちょっとした渋い万華鏡の中に自分がいるみたいです。
     
    2両連結の昔の型のトロリーバス・・・だんだんと姿を消してだいぶ少なくなりました。
    そりゃ、乗り心地と言ったら、新しいバスの方が、エアコンも効いてるし座席もずっとよいけれど、木の板の椅子に塗りのはげた鉄の手すり、こんなガタガタバスがまだ現役で走っていることが、心のどこかでうれしかったりします。
     
    いつかなくなってしまう・・・ことは確実でしょう。
     
    だからなおさら。
     
    いくら言葉を浪費しても、百聞は一見にしかず・・・。
     
    明日はカメラでもカバンに忍ばせて乗ってみましょう。
     
     
     
    December 20

    コンビニ通い

     
    大きなガラス張りの店構え。
    電気が煌々と明るい店内。
    さあ、今日も
    はじめの一~歩!!!
     
    ぴんぽ~ん♪♪
     
    自動ドアが開く。

    “欢迎光临(いらっしゃいませ)!!!”
     
    ・・・と、10年前の杭州にはなかった光景にわたしもついつい参加してしまっている毎日です。
     
    コンビニという店はどうしてこう人をそそるのでしょうね・・・と思っている私が勝手にそそられているだけなのでしょうけれど。
     
     
    上海にはすでにずいぶん前からあったコンビニですが、杭州ではここ4~5年の話です。そして、さきほどの光景が当たり前のようにまで普及したのはここ2~3年のこと。
     
    中国のコンビニにはスーパーにない品物(日本モノ)が置いてあったりするので、杭州にポツポツ出現し始めた頃から、ときどきコンビニに足を運んではいたのですが、家の付近にも2、3件、職場の近くにも2、3件、市内行く所、大体どこでも見かける・・・とここまで店舗数が増えると、自然こちらも行く回数が増えるもの。
    その上商品の品揃えもよくなってきたし、何といってもお弁当の類がここ数年、食べられるもの・・・(日本人の口にとって)になったのも大きな魅力。
    更には、日本のコンビニがそうであるように、ここのコンビニも、新商品の売り出しとか、○○祭りとか、しょっちゅう何かしら企画することをはじめ、(私はこの夏、キティーマグネットを集めようと、某コンビニにせっせと通ってしまったし。)なんだかにぎやかになってきました。
     
    で、最近ではほぼ毎日。多い日は2回・・なんて、あのピンポンドアをくぐっているのです。
     
    特に用事はないんだけど、前を通ると、ぶらりと入る・・・・
     
    。。。。こんな感じはまるで日本のコンビニと同じ。。まんまと店の客獲得戦略にはまってるんでしょうね。
     
    ところで、コンビニの商品の値段・・・なんですが。
    肉まん一つにしろ、お菓子にしろ、全般的にちょっと高めです。
    何でも値切りたがるようなこの中国で、どのぐらいお客さんが入るのかな・・・・と、興味深げに見ていたんですが。
    最近驚いたことは、
    朝の出勤時間や昼休みの時間帯にレジの前に行列ができている・・・・こと。
     
    どの店舗も同様ではないでしょうけど。
    。。。。。でも。
    いやはや時代は変わったなあ・・・・・・と思いながら、私も毎朝コンビニのレジ前にのこのこと行列をなす客です。
     
     
     
     
     
     
    December 17

    肉まん

     
    C-STORE・・喜士多コンビニの新発売の肉まんは
     
    1個2.5元~3元・・と高いお値段。
     
    でも、今ならお買い得。1個の値段で2個買える。
     
    日本のコンビニ肉まんよりおいしい。
    中国肉まんより、ずっと日本的味。
     
    日本のコンビニ肉まんが懐かしくなった人。どうぞ。
     
    長いこと口にしていないので、日本のコンビニ肉まんがどこまで進化したかわからないんだけどね。
     
    ちなみに・・・中国肉まんは、初めて食べる日本人にとって、とってもジューシーなおいしい味ですけど、あのジューシーのほとんどはラード・・・豚の油ですよ。
    December 13

    粉ミルクって

     
     
    粉ミルクって、おいしい。
     
     
     
    あらためて発見した昨晩です。
     
    赤ちゃんが飲むあの粉ミルクです。
     
    あの味が懐かしくなって飲みたくなって買った
     
    ・・なんていうのでは、もちろんなくて、
     
    事の始まりは子猫。
     
    10月の終わりだったか、夕方子供が拾ってきた見るからに生まれて間もない子猫ために、とりあえず・・・と、コンビニへ走って買ってきた赤ちゃん用粉ミルク。
     
    結局うまく飲んでくれなかったし、かなり痩せてて、栄養失調のきらいもあったので、キャットフードとペット用粉ミルクで育ててあげようと、翌日にはペットショップへ行ったのでした。
     
    猫は育ち、月日は流れ、今、12月。
    台所の引き出しに発見されたあの時の粉ミルクは・・・・。
      ああ、どうしよう、、コーヒーに入れてもおいしくないし・・・
      ・・・いっそのことそのまま濃い目に溶かして早く飲んでしまえ・・・・
     
     
    そして。 
    “いっそのこと飲んでしまえ”の処分扱いで入れたミルクに
    まんまとハマってしまった私です。
    なんというか、やっぱり懐かしい味なんでしょうか。熱いお湯で溶かして飲む“ホット”という点も、時期的にぴったりだったんですね。ポイントは濃い目に溶くことです。
     
    まあ、考えてみれば、中国では粉ミルクって、児童用、中年用、老人用と、各種あって、赤ちゃんだけのものじゃないし、これからの冬、手軽にホットミルクを楽しむには良いかもしれない・・・・・。
    よく牛乳を温めすぎて噴かせちゃうような人。。つまり私にはちょうどよいのです。
     
     
    今度スーパーに行ったら・・・・。どのメーカーが・・・・・。
     
     
    次回買い物リストのトップを飾るのはきっとこれでしょう。
    但し、栄養過多に注意かもしれませんね。
     
     

    病院の過ごし方

     
    (念のため・・・入院ではなく、通院の話です)
     
     
     
    病院というところは、
     
    ゆっくり時間を過ごすところ。。。
     
    たとえ血液検査のための採血に1時間近く待たされたとしても、
     
    怒るべからず。
     
    日本の大学病院だって、診察の順番待ちにそのくらい待たされることはざらだし。
     
    病院へ行く日は、他に何かしようともくろまない方がいい。
     
    頑張って、病院もあれも、これも、とやろうとすると、
     
    時計を見て焦ったり、階段を走り降りて転んだり、
     
    何より、精神衛生上よくない。
     
    思いがけず病院で時間がかかってしまった時など、当初するつもりだったあれやこれが思うようにできず、そのショックとイライラは最高潮だ。
     
    自分が患者なら言うまでもないし、たとえ付き添いで行ったとしてもこれはよくない。
     
    だから、病院へ行くことになったら、
     
    まず病院での時間をゆっくり過ごすことを考える
     
    時間がかかっても、待たされても
     
    のんびりやろう。。ここは病院。
     
     
     
    と、こんな心持ちで、今回も病院のお世話になってきました。
    数日前から鼻をズガズガやってた下の子が朝からひどく咳をはじめたもので。
    日本でも病院って時間がかかりますよね。
    中国も同じです。でもお金を払ったり、薬を出したり・・・というところは意外にとても早いんですよ。日本より早いとも思う。診察の順番待ちだって、30分ぐらいじゃないかしら。。
     
    で、何に時間がかかるって、それは点滴。
     
    日本だと、点滴というと、入院患者がベッドに横たわって・・・という光景を想像しがちですけど、ここでは、風邪でも点滴。
    熱がなくても血液検査をして炎症がひどいとわかると、即点滴。
     
    うちの子のこの咳もきっと点滴だろうなぁ。
    パターン学習というものか、子供が風邪を引くたびに病院へ通っているうちに、
    病院へ行く前から、だいたいの予想はつくようになっていて、
    案の定。
     
    点滴なのだから、時間がかかるのは当たり前なわけで。
     
    今朝、子供の咳を聞いたその瞬間から、
     
    あ、今日は病院だ!!
     
    と、一日病院モードの日を送ったわけでした。
     
    ・・・・・しかしながら、、採血に待たされたり、タイミング悪く昼休みとぶつかったり、なんだかんだと、結局点滴の最後の一滴が終了したのは、夜7時半過ぎ・・・・・・・というのは、ちょっとゆっくりしすぎたかしらん。
     
     
     
    December 11

    明治のアイス

     
    冬だけどアイスを食べます。
    普通の小さな個人商店では売らなくなるけれど、
    コンビニに行くと、売ってます。
     
    で、おとといの晩もコンビニによって、晩御飯のデザートにアイス。
     
    ところで、このコンビニには普通のスーパーなどではあまり見られない商品が置いてあったりします。
    ハウスバーモンドカレー
    ベビースターラーメン
    ほっかいろ
    リポビタンD・・・・・と、日本モノが買えるんですね。
     
    そしてアイスも。
    明治のアイスが売られています。
     
    おとといの晩はちょっぴり気分もよかったので、
    小銭を奮発して、食べました。
    ブルーベリーヨーグルトの棒アイス、1本5.5元也。
     
    この街では1本5元もするアイスは、はっきり言って高いんです。
    普通のアイスは1元から、高くても3元ぐらいまでならみんなよく食べるでしょう。
    ところが、明治のアイスは4.5元からはじまって、どれも高い。
    こんな高い値段に設定して誰が買うんだろう・・・・と思いながら
    冬の夜空のもと、喉越しひんやり・・・・と家路についたのでした。
     
    もしかしたら、上海や北京ではこの値段は普通なのかもしれませんね。
    そして、普通と言えば、2元や3元のアイスだって、昔は普通じゃなかった・・・ということ。
    もうずいぶん前のことだけれど、当時、とあるアイスメーカーが2.5元とか、3元という値段を普通につけて、大々的に杭州市場に乗り込んできた時、わたしもそれを高いと感じたものでした。
    でも2年3年と時間が経つにつれて、特別に高いと感じなくなりました。
     
     
    ・・・・う~~ん、こんなふうに物価は上がってゆくのですね。。
    明治のアイスが特別高いアイスじゃなくなる日もきっとそのうちに。。。
     
     
     
     
     
    December 06

    冬の物語・・・氷

     
    ひきしまる空気に風を切り
    白くたちのぼるパオズ売りの湯気をいくつも通り過ぎて
    大通りを朝日に向って走ります。
     
    いつもの曲がり角
    いつもの信号
    いつもの交差点のいつものおまわりさん
    真っ白い息を吐くおまわりさんは、いつもより太っているように見えました。
     
    そしていつもの並木道
     
    やや広めにつくられた歩道が自転車道もかねているので
    ここは気をつけて走ります。
    抜きつ抜かれつ自転車の波
    スロープの多いガタガタ歩道
     
    と、いくつめか下りスロープを通り抜けようとした時です。
     
     
    あっ、氷が張ってる!!
     
     
    おとといの雨が残したのでしょうか
    散水車が撒いた水の残りでしょうか
    小さな乾きそびれた水溜りに
    それは明らかに氷が張っていたのです。
     
    すでに何台もの自転車に轢かれて
    白いひびがビシビシと入って
    でも、つるんと今にも滑りそうなその氷が
    目に飛び込んできました。
     
     
    あっ、氷が張ってるよ!ねえねえ、氷、張ってるよ!
     
     
    小学生の頃、冬の朝の通学路、
    こんな氷を見つけては
    踏んで、滑って、はしゃぎあるく
    そんな自分がやってきて、
    みんなに知らせたくなりました。
    声を出して言いたくなりました。
     
     
    あっ、氷が張ってるよ!ねえ見て、氷が張ってるよ!
     
     
    見つけるたびに胸がはしゃぎます。
    思い出すたびにこころが揺れます。
    きっとこれからこの冬も
    幾度となくこんな気持ちにさせてくれるんですよね。
     
     
     
     
     
    December 04

    寒くなる

     
    子猫が湯たんぽにまるくなる
    子供が部屋でも上着をはおる
    寝るときも靴下をはいていたいし
    夜のトイレや朝の洗顔に覚悟してのぞむ
     
    先週の今日の最高気温は23度とか25度とか聞いた。
     
    今日の最高気温は5度との天気予報。
     
    この落差。
    ジェットコースター並みだ。
     
    やかんにお湯を沸かすと台所中が汗をかく
    沸かしたばかりのお湯で入れた熱いはずのコーヒーがあっという間に冷めている
    こうしてキーをたたく指先もこころなしかかたくなる
    そろそろ手袋でも・・・・・いやいや、うちもヒーターの準備かな。
     
    と。
     
    寒いことは寒いのだけれど
    実はわたしは冬が一番好きだったりします。
    寒いからこそ暖かく感じる布団の中の気持ちよさはやめられませんし、
    そんなゆるゆるの気分が寒さでぎゅっと引き締まるあの瞬間も快感です。
    気持ちが引き締まったところで仕事の効率があがる・・・とも限らないんですけどね、、、締まりすぎて仕事を前に硬くこわばっているなんてこともなきにし。
     
    それから、動物の中には思い切って“冬眠”というのもいますが、
    わたしも冬はうちにこもるほうです。
    寒さを感じながらうちにこもる・・・いろいろ考えるのは、これがなかなかいい具合なんですね。
    春は考えているうちに眠くなるし
    夏は暑さと汗っかきでそれどころじゃないし
    秋は気をつけないと感傷的になる
    で、自分も含めて自分をとりまく諸々について、あれこれ深く考えるのに冬が一番具合がいいわけです。
     
     
    当たり前ですが、冬は何をするにも寒さがつきまとう。。。
     
    この
     
    寒さを感じながら
     
    というのが、わたしにとってのポイントらしく
    寒いことは寒いのだけれど、
    寒い寒いと言いながらも、
    何かをする時考える時、となりに寒さがあることが快感・・・それとも安心感?
    とにかくよい具合なんですよ。
     
    さあさあ、ここ杭州も冬の幕開けです。
     
     
     

    調子よく

     
    パリパリパリッ、ボリボリボリッ
    ペッペッ、、
     
    パリパリパリッ、ボリボリボリッ
    ペッペッ、、
     
    調子良いリズムで繰り返されるこの音
    ただ音だけ聞いていたらまるで鼠が何かかじっているようだ。
    左隣に肩を寄せて座る若い兄ちゃんが向日葵の種に夢中になっている。
    やめられない止まらない~~♪・・・なんてCMがあったけど
    まさに、そのとおり。たしかにこれは食べ始めたらやめられない・・・
    そういえば、わたしはここ最近ご無沙汰しているなあ。。。
    。。。なんてぼんやり考えながら、足元へ捨てられてゆく殻に
    中国を感じ。
     
    ふと意識してみると、わたしは自分を中心に6人の男性に囲まれてこの車内に座っている。
    前には運転手と助手席の男性客
    自分の左に例の兄ちゃん、そして右にも1人男性客
    そして後部座席にも2人の男性客
     
    夜も10時過ぎ、郊外の経済開発区から市内へ向かう個人の乗り合いタクシー。
    この街の治安がいい証拠か、我ながらの鈍い神経のためか
    さながら身の危険も感じない・・・。
    同じ発音でも広州だったら、わたしもさすがにこう平気を装ってはいられないだろうな。
     
    それにしても。。。
     
    パリパリパリッ、ボリボリボリッ
    ペッペッ、、
     
    パリパリパリッ、ボリボリボリッ
    ペッペッ、、
     
    ガタガタとよく揺れる車内に乾いた音を立てて響き渡る兄ちゃんの調子良い音と、そのほかは、皆無言。
     
    車内の沈黙をまったく意に介さず、調子よくリズムを刻むこの兄ちゃん、(と言っても、明らかにわたしより年下だけど)
    わたしはこのタクシーに乗り込む時、彼を客だとは思っていなかった。てっきり運転手の友人か何かだと思っていた。
     
    “さあ、東駅まで3元、3元だよ!さあさ、乗った乗った!”
     
    運転手といっしょになって、客引きをしていたのだ。
     
    “東駅まで3元、3元だよ!バスに乗っても2.5元、こっちは座れるよ!”
     
    むしろ、運転手より威勢よい。
     
    普通なら5元で客引きをするこの手のタクシーが、めずらしく3元。しかも雨が降り出して、傘を持っていなかったわたしはちょっと考えた。
     
    “そこの美女(メイニュー)、さ、早く乗った乗った!乗ったらすぐ出発だよ!さあさ!”
     
    おいおい、“美女”と来たかいな、調子のいい客引きだこと。。。。
     
    ところがこの兄ちゃん、車が出発するとさっそく、
     
    “あとで降りる時じゃ面倒だから、先に払っとくよ、ほい、3元ね”
     
    と、運転手にお金を払ったわけで。
     
    降りる時じゃ面倒かぁ・・・?・・・というより、この兄ちゃんも客だったんだ!
     
    そして、パリパリパリッ、ボリボリボリッ調子良い種かじり。
     
    さっきの兄ちゃんの調子良い客引きの言葉が種かじりのリズムに奇妙にオーバーラップした。
     
     
    運転手といっしょになって客引きをする客。
    実はこんな人ははじめてではない。
    こんな人を見るたび、“いいねえ、このノリ・・・・ははは。”
     
    きっと兄ちゃんも早く出発してほしいから客引きをしてるんだろうけど、
    この場合、客が運転手をせかす・・・というのが普通のパターン。
     
    運転手をせかすのではなく、自分も一緒に客を呼んじゃう・・・というこの発想がなんとも。日本人にはきっとありえない・・・・だろうな。
     
    ここまでのノリの人はそう多くはないけれど、
    でもここの人たちは結構気軽に口を開く。
    見知らぬもの同士が親しげに会話をはじめるなんていうのは日常茶飯事で、
    わたしはそこが大好きだ。時に自分も参加したくなったり。
    日本語のように丁寧語とか敬語とかはっきりと区別されたものがないから
    余計にいいのかもしれない。自然、距離が近くなる。
    ただ、最近この街も都市化が進み、特に若い人たちの間ではそんな傾向が薄れつつあるように思えるけれど。
     
    この兄ちゃん、向日葵の種がなかったら、きっと何かおしゃべりをはじめてたんじゃないかな・・・・
     
    東駅まで行かず、途中下車したその兄ちゃんの後姿を見ながらそう思いつつ。
     
    ただひとつ残念なのは、足元に残された種の殻。。。